三菱マヒンドラ農機の解散・撤退|部品・修理・保証はどうなる
📑 目次
※本記事はプロモーションを含みます。
三菱マヒンドラ農機(2026年9月10日からMAM株式会社)は、2026年9月30日をもって農業機械事業を終了しました。
補修用部品の供給と製品保証は、新会社の株式会社AGRINA(アグリナ)が引き継いでいます。
「うちの三菱のトラクター、部品はまだ出るのか」「修理はどこに頼めばいいのか」。
そんな方に向けて、公式が発表したことを日付順に並べ、次に確かめる先をまとめます。
先に答え。公式が発表していること(2026年10月13日に確認)
| 知りたいこと | 公式の発表 |
|---|---|
| 何が終わったのか | 農業機械の研究・開発、生産、国内と海外への販売。2026年9月30日をもって事業活動を終了 |
| 部品と保証 | 国内製品の補修用部品の供給と製品保証は、株式会社AGRINAが承継 |
| 修理・整備 | AGRINAは「製品の整備・修理などのアフターサービスは承ることはできません」と書いている。MAMは「お近くの農業機械取扱店、またはお取引の販売店へ」と案内 |
| 問い合わせ先 | 部品と保証はAGRINAの問い合わせフォーム。修理は取引のある販売店 |
| 部品がいつまで出るか | 期間は公式に書かれていません |
MAM株式会社と株式会社AGRINAの公式サイト、公式のお知らせに書いてあることだけを載せました。
私は飼料と畜産資材の代理店営業を13年やりました。
三菱の農機を売った経験も、整備した経験もありません。
だから体験談は書かず、公式の文書を読んで整理する立場で書きます。
公式発表を日付順に
撤退が最初に公表されたのは2026年3月2日です。
そこから9月30日までの発表を、原文で確かめられたものだけ並べます。
| 日付 | 発表元 | 内容 |
|---|---|---|
| 2026年3月2日 | 三菱マヒンドラ農機 | 「当社事業方針に関する重要なお知らせ」。農業用機械事業からの撤退を決定。2026年度上期をもって生産と販売を終了する予定。補修用部品の供給と製品保証は継続 |
| 2026年3月2日 | マヒンドラ&マヒンドラ社(インド) | 証券取引所への届出。上のお知らせの英語版を添付 |
| 2026年3月2日 | 松江市・島根県 | 市長と知事のコメント。従業員の再就職支援と、取引先への支援に取り組むと表明 |
| 2026年7月15日 | 三菱マヒンドラ農機 | 農業施設事業の菱農エンジニアリングの全株式を、7月10日に山陰中央テレビジョン放送へ譲渡 |
| 2026年9月10日 | MAM | 「社名変更のお知らせ」。三菱マヒンドラ農機はMAM株式会社へ、三菱農機販売はMAMS株式会社へ |
| 2026年9月30日 | MAM | 「補修用部品供給および製品保証を承継する新会社設立のお知らせ」。株式会社AGRINAを7月30日に設立。事業開始は10月1日の予定 |
| 2026年9月30日 | MAM | 「事業活動終了および解散についてのお知らせ」。MAM・MAMS・リョーノーファクトリーの3社が9月30日をもって事業活動を終了 |
| 2026年9月30日 | MAM | 「112年の感謝を込めて」。1914年の創業から112年のお礼 |
原文へのリンクは、記事の最後の「参考文献・出典」にまとめました。
3月2日のお知らせに書いてあること
撤退の対象は「農業用機械の研究・開発、生産、国内及び海外への販売」です。
続ける事業は「当社製品の補修用部品供給事業及び製品保証事業」と書かれています。
理由については、市場環境と需要構造の変化、生産体制に関する諸条件を勘案した結果、「当該事業の安定的な継続は困難であるとの結論に至りました」とあります。
金額や台数などの数字は、このお知らせには書かれていません。
続ける事業以外は「会社法に基づき会社を解散し、通常清算手続を行う予定です」とも書かれています。
このお知らせの日本語の原文は、旧サイトが9月10日に閉鎖されたため、公式のURLでは開けません。
インターネットアーカイブに保存された写しと、マヒンドラ&マヒンドラ社が公開している英語版で内容を確かめました。
9月30日のお知らせに書いてあること
「事業活動終了および解散についてのお知らせ」は短い文書です。
3社が9月30日をもって事業活動を終了し、そのあとは「会社法に基づき諸手続きを進め、解散決議にむけた業務を行います」と書かれています。
解散した日は、公式には書かれていません。MAMの問い合わせページには「事業活動を終了し、会社の清算手続を行っております」とあります。グループの菱農資産管理は「方向性が決まり次第発表します」とされています。
部品・保証・修理はどうなる
部品と保証はAGRINAが引き継いだ
9月30日のお知らせには、国内製品の補修用部品供給と製品保証について「当社事業終了後も継続して提供される体制が整いました」とあります。
引き継ぐのが株式会社AGRINAです。
| 項目 | お知らせの記載 |
|---|---|
| 社名 | 株式会社AGRINA(読み:アグリナ) |
| 設立 | 2026年7月30日 |
| 本社 | 島根県松江市東出雲町揖屋3054番地15 |
| 部品センター | 岡山県瀬戸内市、北海道苫小牧市 |
| 主な事業 | 補修用部品事業、製品保証事業 |
| 従業員数 | 40名(予定) |
| 株主 | 2026年9月30日付で、東京コンポーネント株式会社へ全株式を譲渡 |
AGRINAの公式サイトの事業概要も「補修用部品事業」「製品保証事業」の2つです。
部品がいつまで出るかは書かれていない
3月2日と9月30日のお知らせにも、AGRINAの公式サイトにも、部品を供給する期間は書かれていません(2026年10月13日時点)。
個人が部品を直接注文できるのか、販売店を通すのかも書かれていません。
業界の目安はあります。
日本農業機械工業会は「補修用部品の供給年限(ガイドライン)」を公表しています。
| 機種 | 年限 |
|---|---|
| トラクタの部品(国産) | 12年 |
| 耕うん機(ティラー・管理機を含む)の部品 | 9年 |
| 田植機の部品 | 9年 |
| バインダの部品 | 9年 |
| コンバインの部品 | 9年 |
年限の始まりは、メーカーがその製品の製造を打ち切った時です。
年限内でも特殊な部品は納期の相談になることがあり、年限を過ぎても要請があれば納期と価格の相談に応じる、と書かれています。
これは工業会のガイドラインで、AGRINAがこの年限で供給すると発表したわけではありません。
自分の型式の部品が出るかは、AGRINAか販売店に確かめてください。
保証は期間と手続きを確かめる
製品保証もAGRINAが承継しました。
保証の期間や、保証を受けるときの手続きは、AGRINAの公式サイトには書かれていません。
保証書が手元にある方は、保証の期限と購入した店の名前を確かめてください。
そのうえで、購入した店かAGRINAに問い合わせるのが確実です。
修理・整備はAGRINAでは受けていない
AGRINAの公式サイトには「※製品の整備・修理などのアフターサービスは承ることはできません」とあります。
MAMの問い合わせページは、こう案内しています。
- 2026年5月末をもって、三菱農機販売の営業所は閉鎖した
- 修理・メンテナンス・現地サービス対応の問い合わせは、このウェブサイトでは受け付けていない
- お近くの農業機械取扱店、またはお取引の販売店へ直接相談してほしい
- 地域によっては、対応できる取扱店が限られる場合がある
AGRINAのサイトには「整備・修理協力店」を都道府県で探すページがあります。
対応サービスは「補修部品取扱販売店」「アフターサービス対応店」「製品保証対応店」の3つです。
ただし、10月13日に開いた時点では、トップページのこの欄は「準備中」の表示でした。
検索ページが読み込む店舗データも4件だけで、住所や電話番号が伏せ字だったり、ホームページの欄が見本のアドレス(example.com)だったりする仮の内容でした。
実際の店を探せるようになるまでは、買った店か、ふだん付き合いのある農機店に聞いてください。
「三菱農機」「三菱マヒンドラ農機」「MAM」「AGRINA」の違い
同じ会社の、時期による呼び名の違いです。
AGRINAだけが別の会社です。
| 時期 | 社名 | 確かめた資料 |
|---|---|---|
| 1914年(大正3年) | 佐藤商会として創業 | MAM公式サイト・旧サイトの会社経歴 |
| 1945年2月 | 佐藤造機株式会社を設立 | 旧サイトの会社経歴 |
| 1980年2月 | 三菱機器販売と合併し、三菱農機株式会社に | 旧サイトの会社経歴 |
| 2015年10月 | 三菱マヒンドラ農機株式会社に社名変更 | 旧サイトの会社経歴 |
| 2026年9月10日 | MAM株式会社に社名変更 | 社名変更のお知らせ |
2015年の社名変更の前には、三菱重工業の発表があります。
2015年5月21日、三菱重工業とマヒンドラ&マヒンドラ社が農業機械分野の協業で合意し、同社が10月1日の予定で三菱農機の株式の33%を取得する、という内容です。
販売会社の三菱農機販売も、2026年9月10日にMAMS株式会社へ社名を変えました。株式会社AGRINAは、MAMが2026年7月30日に設立し、9月30日付で東京コンポーネントへ全株式を譲渡した別の会社です。
「旧サイトの会社経歴」は、閉鎖前の会社概要ページの保存版(2025年3月17日時点)で確かめました。
持ち続ける人が今やること
公式が案内している範囲と、一般的な手順をまとめます。
- 型式と製造番号を控える。機械の銘板を写真に撮っておくと、部品の問い合わせで聞かれたときに答えられます
- 取扱説明書を確保する。AGRINAの「取扱説明書・閲覧」のページで、型式を入れて検索できます。全ての製品を網羅するものではない、と書かれています
- 買った店に、これからの修理の窓口を聞く。修理を続けて受けてもらえるか、部品の取り寄せはどうなるかを確かめます
- 保証書を確かめる。保証の期限が残っているなら、購入した店かAGRINAに手続きを聞きます
- よく替える部品の型番を控える。次に注文するときに、部品が出るかどうかも一緒に聞けます
AGRINAへの問い合わせは、公式サイトの専用フォームからです。
サイトには「製品や部品供給、各種サービスに関するお問い合わせは、専用フォームよりお送りください」とあります。
売ることを考える人へ
当ブログは2026年10月12日に、中古農機市場UMMに載っていた三菱のコンバイン16件を数えました。
掲載価格は239,800円〜2,999,700円(税込)、中央値は840,000円です。
条数別の内訳はコンバインの中古相場に書いています。
これは出品者が付けた掲載価格で、成約した価格ではありません。
買取の金額とも別で、掲載価格から逆算はできません。
事業の終了で中古の値段が上がるのか下がるのかは、分かりません。
根拠になる資料が見つからなかったので、この記事では書きません。
自分の機械の金額は、型式と状態を見た業者にしか出せません。
売ると決めた方は、1社で決めずに複数社の金額を並べてください。
(PR) 今の機械の金額を、複数社に聞く入口
記事で示せるのは幅までです。自分の機械の金額は、型式と状態を見た業者にしか出せません。下のサービスなら無料・最短30秒の入力で、最大5社から見積もりの連絡が届きます。1社の金額を基準にせず、並べてから決めるための入口として使ってください。
申し込みの前に知っておきたい点は農機具買取査定君の使い方に、契約で確かめることは農機具買取トラブルの型5つと防ぎ方に書きました。
よくある質問
Q. 三菱マヒンドラ農機は「やばい」のですか?
A. 公式が発表した事実は3つです。
2026年9月30日をもって農業機械事業を終了したこと、会社法に基づいて解散の手続きを進めること、補修用部品の供給と製品保証は株式会社AGRINAが引き継いだこと。
修理・整備はAGRINAでは受けていないので、頼める店を確かめておいてください。
Q. 倒産したのですか?
A. 公式の文書が使っている言葉は「事業活動終了」「解散」「通常清算手続」です。
当ブログが読んだ3月2日・9月10日・9月30日のお知らせに、「倒産」「破産」という言葉はありません。
会社法は第471条で、解散の事由として株主総会の決議や破産手続開始の決定などを別々に挙げています。
9月30日のお知らせには「解散決議にむけた業務を行います」とあります。
Q. 部品はいつまで出ますか?
A. 期間は公式に書かれていません。
日本農業機械工業会のガイドラインでは、製造打ち切り後、トラクタ(国産)が12年、耕うん機・田植機・バインダ・コンバインが9年です。
自分の型式の部品が出るかは、AGRINAか販売店に確かめてください。
まとめ
- 三菱マヒンドラ農機(現 MAM株式会社)は、2026年9月30日をもって農業機械事業を終了した。撤退の発表は3月2日
- 補修用部品の供給と製品保証は、株式会社AGRINAが承継した
- 修理・整備はAGRINAでは受けていない。取引のある販売店か、近くの農機店に確かめる
- 部品を供給する期間は公式に書かれていない。工業会の目安は、トラクタ12年、コンバイン・田植機・耕うん機9年
- 持ち続ける人は、型式と製造番号・取扱説明書・保証書・修理を頼める店の4つを確かめる
あわせて読みたい
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- トラクターの買取相場 — 手放す前に見る金額の幅
- 田植機の買取相場 — 公表されている買取実績の幅
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参考文献・出典
下記のページと文書を2026年10月13日に開いて確認しました。
公式サイトの内容は変わります。
- MAM株式会社(旧 三菱マヒンドラ農機株式会社)公式サイト(2026年9月30日をもって農業機械事業を終了) https://www.mam.co.jp/
- MAM株式会社「社名変更のお知らせ」(2026年9月10日) https://www.mam.co.jp/files/news_20260910.pdf
- MAM株式会社「補修用部品供給および製品保証を承継する新会社設立のお知らせ」(2026年9月30日) https://www.mam.co.jp/files/news_20260930-1.pdf
- MAM株式会社「事業活動終了および解散についてのお知らせ」(2026年9月30日) https://www.mam.co.jp/files/news_20260930-2.pdf
- MAM株式会社「112年の感謝を込めて」(2026年9月30日) https://www.mam.co.jp/files/news_20260930-4.pdf
- MAM株式会社「お問い合わせ」(修理・メンテナンスに関するご相談について) https://www.mam.co.jp/contact/
- 株式会社AGRINA 公式サイト(会社概要・事業概要・サービス・お問い合わせ) https://www.agri-nation.co.jp/
- 株式会社AGRINA「整備・修理協力店」 https://www.agri-nation.co.jp/shoplist/
- 株式会社AGRINA「取扱説明書・閲覧」 https://support.mam.co.jp/manual/
- Mahindra & Mahindra Ltd. 証券取引所への届出(2026年3月2日。三菱マヒンドラ農機の3月2日のお知らせの英語版を添付) https://www.mahindra.com/sites/default/files/2026-03/SEIntimation_MahindraAgriculturalMachinary.pdf
- 三菱マヒンドラ農機「当社事業方針に関する重要なお知らせ」(2026年3月2日。公式のURLは閉鎖。インターネットアーカイブの2026年3月3日の保存版) https://web.archive.org/web/20260303135205/https://www.mam.co.jp/news/pdf/news_20260302.pdf
- 三菱マヒンドラ農機「菱農エンジニアリング株式会社の株式譲渡に関するお知らせ」(2026年7月15日。同、2026年8月19日の保存版) https://web.archive.org/web/20260819092531/https://www.mam.co.jp/news/pdf/news_20260715.pdf
- 三菱マヒンドラ農機「会社概要」(会社経歴。同、2025年3月17日の保存版) https://web.archive.org/web/20250317074357/https://www.mam.co.jp/company/company.html
- 松江市 報道機関配布資料「三菱マヒンドラ農機株式会社の農業用機械事業からの撤退に関する発表を受けて」(令和8年3月2日) https://www.city.matsue.lg.jp/material/files/group/5/z030202.pdf
- 島根県 報道発表資料「三菱マヒンドラ農機株式会社等の農業用機械事業からの撤退に係る記者発表への知事コメント」(令和8年3月2日) https://www.pref.shimane.lg.jp/press_release/2025/jls3wbvymgfd.html
- 三菱重工業「三菱重工グループと印マヒンドラ&マヒンドラ社が、農業機械分野での戦略的協業で合意」(2015年5月21日。株式の33%取得は添付のPDFに記載) https://www.mhi.com/jp/news/150521-2.html / https://www.mhi.com/jp/news/story/pdf/150521-2.pdf
- 一般社団法人日本農業機械工業会「標準化等」(補修用部品の供給年限(ガイドライン)・平成15年1月31日) http://www.jfmma.or.jp/standards.html
- e-Gov法令検索「会社法」(第471条 解散の事由・第475条 清算の開始原因) https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086
- 中古農機市場UMM「中古 コンバイン」(三菱の16件は2026年10月12日の一覧で集計) https://ummkt.com/market/category/combine/
- 農機具買取査定君 公式サイト(最短30秒・最大5社、24時間365日受付) https://www.noukikaitori-navi.com/
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この記事は、農業と畜産を営む家で育った経験と、飼料営業として担当エリアの現場で見聞きしたことに基づいています。 個別の経営判断は、必ず担当の税理士・士業・JA・農業委員会等にご相談ください。
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